診療例
「自分の意志とは関係なく指先がケイレンする」
症状
自分の意志とは関係なく指先がケイレンしてしまい、自分ではその行為が無意味だとわかっていても止めることが出来ない。
病名
強迫性連射障害、連射依存症など
診察の様子
ヤブミネール公
(医師)
「こんにちは。今日はどうなさったんですか?」
患者
「自分でも気がつかないうちに、指先がケイレンしていることが良くあるんです。」
医師

「いつ頃からですか?」
 

患者
「良く分かりません、気づいたのは最近です。職場の人に、『君、いつも右手の指先だけケイレンして何かを押してるね。アル中かい?一度医者に診てもらったほうが良いよ』と言われて初めて気づきました。もしかすると何年も前からやっていたのかも知れません。というのも、そう言われて家に帰って見たら、家中あちこちに人差指大の凹みがあるんです。」
 
医師
「なるほど、ところでシューティングゲームは好きですか?」
 
患者
「はい!それはもう大好きです。かつては高橋名人に憧れてハドソンのジョイスティックも買ったし、毛利名人と対決する映画もリアルタイムで見たし、いまだにビデオで見返したりしてます。当然、ボクは連射も速くて・・・、ハッ!まさか、センセイ、ボクのケイレンは連射が原因なんですか?」
医師
「気づかれましたか。そればかりでは無いでしょうが、概ねそんなところです。」
 
患者
「そんな、ゲームと連射が原因なんて、ショックだ...。治すためには、もうゲームや連射をしてはいけないんでしょうか?」
 
医師
「まあ、気を落とさないで下さい。問題は連射のためにケイレンをしてしまうことよりも、そうやって気づかぬ うちに指先をケイレンさせるような状況に追い込まれてしまったことに問題があります。恐らく何らかのストレスがあなたにかかって、それを回避する方法としてあなたが無意識に選んだのが連射なのです。これはつまり、あなたがいかにシューティングゲームを愛しているかということの証明でもあります。」
 
患者
「そうか!じゃあ、連射は別 に悪いことでないのですね!」
 
医師
「そうです。ただ、もしかしたら社会生活に影響があるかも知れないので、念のため対処法を一緒に考えましょうか。」
 
解説
 「スターフォース」「スターゾルジャー」等の連射系シューティングゲームにハマり過ぎたために、「スコアを上げるには連射しなければならない」という強迫観念に捕らわれて、自分では意味のないことだと分かっていても指先がケイレンしてしまう。この場合を「強迫性連射障害」という。また、連射系シューティングゲームは「連射が速ければ速いほど有利である」という観念に捕らわれすぎていると、何かのストレスに直面 したとき、無意識のうちに指先をケイレンさせてストレス昇華のために連射行動をとってしまう。このような場合を「連射依存症」という。
処方せん
 「ジョイカードマーク2」「ジョイボール」等の連射機能付き周辺機器を投与、或いは「スターソルジャー」ならば、レーザーを装備させる等の裏技を処置することで連射しなくても良い環境を与えるのが一般 的。しかし、症状が進んだ患者の多くは、硬派なシューターで、「押しっぱなし」で解決できるような安易なゲームを好まない場合が多く、かえって悪い結果 になるだろう。  ここではむしろ、「エクセリオン」「R-タイプ」等の連射ばかりでなく、戦略的な撃ち分けが必要なゲームを投与して「連射に頼る」だけでは解決できない、他の問題解決の喜びに目覚めさせるのが効果 的である。
特記事項

 患者が強迫的に「連射をしなければいけない」という観念に捕らわれているときは「無理に連射をする必要がないんだ」と思えるように導くことが効果 があるようだ。 「ケイレン」することでストレスを回避していることを考えると、ただ単に「ケイレン」を禁止すれば良いと言うわけにはいかない。たとえそれを禁止してもそこで抜くことの出来なくなったストレスは他の望まぬ カタチで現れるに違いない。
 肉体的、心理的抑圧から逃れる術として発症する場合が多いので、根本解決のためには抑圧の根源を取り除くことが必要。

 


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